
自分ってなんだろう。
誰もが、特に思春期・青年期にはこの問いにぶち当たり、悩みに沈んだ経験があるのではないでしょうか。
「自分ってなんだろう」ということを明確に定義するのは難しいけれど、「自分らしい」という言い方なら、少し説明しやすくなるかもしれません。
今回は、私独自の「らしさ」について考えます。
「私らしくない」エピソード

よく「私らしい」「Aさんらしい」「Bさんらしくない」などと、「らしい」「らしくない」と自分や人を評しますね。それは、どういう根拠で、言うんでしょうか。
私は、エナジードリンクのボトルをしげしげ眺めていたときに、友達に「それ飲むの?似合わない~」と言われたことがあります。彼女の持つ「なだふみこは、こんな人物」というイメージと、そのドリンクのコンセプトが合わない、と感じたわけですよね。
実際、私は、そのドリンクに対して「毒々しいパッケージだな」と、あまり好ましくない感想を抱いて見ていたので、この場合は、「合わない」と感じていた自分自身の感覚と、友達の直観とは一致していたわけです。

もうひとつ「イメージに合わない」と驚かれるエピソードは、オートバイに関することです。
私が自動二輪の免許を取り、オフロードバイクで林道を走りに行ったことを知った友人知人は、みんなびっくりしていました。よほどイメージに合わなかったんでしょうね。
そして「実は交際している彼がバイク好きで、一緒に行こうって誘われたから・・・」と説明すると、「ああ、そういうことで」と納得するんです。この説明によって「自らの興味関心からバイクに乗るようには見えない」という皆さんの直観に間違いはなかったということになるわけです。
そして、皆さんの直観は正しかったと、私も思います。今ではバイクは車庫にしまい込まれたままで、夫が時々「借りるで」と言って使うだけ。
バイクに乗ってみたい気持ちはあるのですが、それはバイクに興味があるからというよりは「らしくないことをやってみたい」という動機なんです。
「私らしさ」を知る方法

私らしさ。それは、これまで生きてきた中での、さまざまな出会い、選択、態度などの集積。
望ましいと思うもの、心地よいと感じるものを捜しだし、選び取ることで、「私らしさ」はさらに確かになっていくのでしょう。
そして、「居心地が悪い」とか「落ち着かない」と感じるものは「私らしくない」もの、ということになります。

私は、長く学校で、図工・美術の指導に関わってきました。
図工・美術(アート)って、「自分らしさ」に触れる機会を与えてくれると思うんです。
「上手か、下手か」という技能の優劣を気にしてしまって、「自分らしさ」を表現し磨いていくことを楽しめなかった人が大勢いるのは、とても残念なことだと思っています。
アートの基本は、「選ぶこと」だと私は思っています。「この色が好き」「この材料を使いたい」という直感。そのひとつひとつが「自分らしさ」の現れです。
自分で表現することに抵抗があるなら、「観る」という関わり方でもいい。「ゴッホの、この絵は好き」「ピカソの、この絵は好きじゃないけど、この部分はおもしろい」とか、好き嫌い判定のような見方でもいいんです。
自分が「選ぶこと」、「好むこと」は、私だけの、あなただけの独自の感覚です。
感覚が「似ている人」はいるかもしれないけど、100%好みが一致する人は、世界中にひとりもいないはず。
アートに触れることは、自分が唯一の特別な存在だということを実感する機会になります。
「自分らしくない」と感じる場合

先ほど「合わない」ということについても書きましたが、
その感覚は、単に「これまで経験したことがないから」というだけのことで、やってみたら以外に「合っていた」となる可能性もありますよね。
だから、「合わない」=「自分らしくない」ではないかもしれません。
私の場合は、「合わない気がする」と思いながら挑戦したバイクは、結局、私の人生から退場してしまいましたけど、それでもこのチャレンジは、知らない世界を経験するいい機会になりました。

アートに話を戻しますと、
アートは、自分でも知らなかった「意外な自分」「異質な自分」を指し示してくれることもあります。「こんなの私じゃない」と認めがたかったそれは、実は私の、見たくなかった一面でした。
気づきたくなかった自分との出会いは、快いものではありませんでしたが、この出会い失くして私は私になれなかったと思います。
私は、アートを通じて「違う自分」との出会い、その後の人生が変わったと言っても過言ではありません。
その話は、よかったら、こちらの記事をどうぞ。
アートで自分と出会う時間を
「自分ってなんだろう」という問いに、決定的な固定した答えなんてないんだろうと思います。
でも、移ろい、変わっていく自分に出会うことならできます。ぜひアートを使って、「自分との出会い」の時間を持ってみてください。
アートの具体的な方法については、今後もご紹介していきたいと思いますが、よかったら以下の記事も参考にしてみてくださいね。


