
久しぶりに箱庭を楽しんできました。
箱庭とは、心理臨床の場でよく用いられている技法のひとつで、砂を入れた箱の中にミニチュア玩具を並べるものです。
この記事では、箱庭療法について、「実際どんな感じなの?」という疑問をお持ちの方に、私自身が受けた箱庭セッションの様子をご紹介します。
日本人には特に向いているとされ、「ミニチュアを置くだけで勝手に治る」とまで言われる箱庭療法。この記事を読めば、きっと体験したくなるはず、です。
箱庭療法とは

箱庭療法は、スイスでユング派の心理療法家によって技法が確立され、日本には河合隼雄さんによって導入されました。
箱庭には、心の在りようが自然に現れるため、言葉によるカウンセリングが難しい子ども等にも用いられます。日本人には特に向いているとされ、「ミニチュアを置くだけで勝手に治る」とまで言われるほどなんです。
私は、自分の心のメンテナンスのために月1回のペースでカウンセリングを受けていて、箱庭をよくやらせてもらっています。当ブログでは、箱庭をやるたびに、ちょいちょい、その様子をご紹介しているので、もしよかったら、過去の記事も併せてご覧ください。
箱庭:情景が生まれてくるプロセス

今回の箱庭では、「先が見えない」ということが私のテーマでした。
まず最初に、砂を掘って、水色の底面を出して、川を作りました。ほとんどUターンするかのような大きく迂回する流れが心に浮かびました。
進んでいく先がわからない、向こうが見えない風景にしたくなり、岩や植物、積み木などで視界をさえぎってみました。
魚が川を泳ぎ、進んでいきます。川は海に向かっていて、先にはウミガメの姿も見えます。でも、泳ぎ始めた魚には、この流れの先がどこに向かうのかが見えない・・・・そんなストーリーになりました。
箱庭から、自分の内面の状況と出会う

作ってみて気づいたのは、自分の進む先が明確でない、今の状況が、けっこう気になっているんだなあ ということでした。
実は私、この4月までの2年間は、休職して大学院での学びと、アートセラピーの研修をしていました。つまり、自分の好きなこと・やりたいことにドップリ身を浸して、過ごしていたんです。ほんっとに充実した日々でした。
そして4月から、職場に復帰。そしたら、組織の一員として働くわけですから、もちろん、自分の好きなことばかりというわけにはいかないんですよね。当たり前なんですけど…。「なんで私がこの役目??」と、とても適材適所とは思えない仕事も回ってきます。
しかも、どうやら、「あんまり好きではない仕事」の方が、今の職場で私に期待されているポジションであるらしい。

先が、見えない。
というか、見たくないのかも。
そんな今の状況が、砂を触り、ミニチュア玩具を選んでいるうちに、浮かび上がってきたのでした。
箱庭から、自分の心を深読みしてみる

さらに、出来上がった箱庭を眺めながら心理士の先生と話す中で、気づいたことがありました。
「先が見えない」ということに、モヤモヤした気持ちを持っているのだけれど、でも、私は、不安に感じたり、ものすごく嫌だと思っているのではないらしいのです。
進む先の海のイメージは、(箱庭ではそこまで作り込んではいないので、私の心の中に浮かぶ情景として、ですが)荒れてはいないし、恐ろしい敵もいません。
視界をさえぎる壁も、難攻不落!という感じではなく、楽しそうなイメージのものだったりする。
好きな仕事とは違う・・・と言いながらも、まあ何とかなるかな~ と楽観してもいる。そんなことを、自分の箱庭から感じました。

箱庭って、心の中の様子を、風景や物語に変換して、目に見えるようにしてくれるんですよね。それが毎回、とても興味深いです。
自分の心を見ることで、自分との風通しの良いお付き合いができるようになるんです。
もし機会があれば、箱庭、ぜひ体験してみてください。
箱庭療法を試してみるには

「○○療法」とか、カウンセリングを受けるというのは、日本ではまだ敷居が高いというか、重篤な精神疾患を持つ方だけが対象のように思われているようですけど、そんなことはありません。
もっと気軽に、「心のメンテナンス」として活用する文化が、定着していったらいいなと思います。
カウンセリングを受けるというのは、安い料金ではないので、費用面が痛いですけど・・・通常、カウンセリングを受けようと思ったら、8000円以上かかるところが多いと思います。
でも、張り込む値打ちはありますよ。
費用を抑えるなら、心理臨床のコースがある大学付属のカウンセリングルームで、学生による面接を受けるという方法もあります。これだと、学生さんの実習という意味合いもあって、本職の心理士面接より低価格です。
ただ、心理面接を実施しているところ全部に箱庭の設備があるわけではないので、それぞれの施設に確認してくださいね。
持ち運べる箱庭「コラージュ」
もっと手軽に「箱庭」のように自分の心を「見る」方法としては、「コラージュ」がおすすめです。
コラージュ療法は「持ち運べる箱庭」として開発されたという経緯があります。ミニチュア玩具のかわりに雑誌や広告、カレンダーなどの切り抜きを使って、情景を作り出していくことができるんです。
コラージュについては、ご紹介している記事がいくつかありますので、こちらもぜひ。



