偶然がくれた発見:糸引き絵で「自分らしさ」と出会う

アートセラピーをご存じですか?
アートセラピーとは、色を塗る、紙を貼る、粘土を触るなど、簡単なアート制作を通じて、心身の健康状態を改善していこうとする心理療法の手法です。

今回は、ひきこもり状態にある方の支援団体「神戸オレンジの会」で行った「アートセラピーの会」のプログラムをご紹介します。

神戸オレンジの会「アートセラピーの会」

「神戸オレンジの会」でのプログラムは、今回が5回目です。2時間のグループセッションで、8名様が参加してくださいました。

8名というのは、「セラピストである私が一人で対応できる人数としてはこれが限界」と予めお伝えしていた人数なので、今回は満席での開催でした。

ウォーミングアップ「名札つくり」

最初にウォーミングアップとして「名札作り」を行いました。「今日、呼んでほしい名前」の名札を、色紙やシールなどで思い思いに作り自己紹介をしました。

字を書くだけでもOKなのですが、皆さん、やりだすといろいろと凝りたくなる様子で、まだまだ続けたそうな方もいる中「メインのアートが控えているので(笑)」と打ち切りました。

メインのアート「糸引き絵」

続けて、メインのアートは、今回は「糸引き絵」を行いました。絵の具をつけた糸を引き抜くだけの簡単なアートです。

参加者からは「思い通りにならないところが面白い。思い通りじゃないことを楽しむのが人生」と名言が飛び出し、周囲から「おおー!」と感嘆のどよめきが起こる場面もありました。

実際、今回「糸引き絵」の目的として、「偶然を楽しむ」「偶然を意図的に作り出す」というところを私も思っていたので、それを感じ取っていただけたようで、うれしかったです。

「糸引き絵」の作り方については下記の投稿で書いているので、ご覧ください。

仕上げ:台紙にレイアウト

糸引き絵の作成のあとは、それを台紙に貼って仕上げました。台紙に貼ると、一気に「作品ができました!」っていう感じで見栄えが上がり、嬉しい気持ちになれます。

アートセラピーは、綺麗な素敵な作品を完成させるのが目的ではないのですが、「いい感じ」を求めて仕上がりをあれこれ試すことは「自分の感性を大切にする」ということなので、大事な過程です。

気に入ったところをトリミングしてから貼る人あり、貼ったあとからマスキングテープやシールで装飾する人あり、気の向くままに切り取って重ねる人あり・・・「やってみようかな♪」と、柔軟な遊び心がどんどん出てきました。また、「自分はシンプルなのが好きなんだな、と気づいた」と言う方もあり、それぞれの持ち味が発揮されていました。

作品紹介

では、写真の掲載許可をくださった方の作品を紹介します。

しめくくりのアート

当日のプログラムは、作品の紹介タイムのあと、締めくくりのアートをして、終了となりました。締めくくりのアート「フォルメン線描」については、下の記事をご覧ください。

参加者のご感想

オレンジの会の参加者からは、

● 無になれたり、楽しい気分になったり、良かったです
● うまい下手じゃない偶然が表現できてよかった。
● かんたんにとりくめて、でもおもしろかったです!!たのしいのがいいですね!
● 感覚を動かしてるのは、すきなのでたのしかったです。時間は配分とかいろいろしっかりベースを支えてくださってたので、安心して、取り組めました。
といったご感想をいただきました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

アートセラピーの効果

アート表現に取り組むプロセスそのものが、遊び心を誘発し、心を柔軟に、生き生きとさせていく。アートセラピーの効果のひとつです。
また、取り組みながら、あるいは仕上がった作品を見ながら、自分の特性や気持ちなどに気づく ということもあります。自分のありようが、目に見えるものになって差し出されるわけですね。自己との新しい出会い・・・これもまた、アートセラピーの効果のひとつです。
アートセラピーの会は、お声がかかれば随時開催させていただいています。関心を持っていただけたなら、「お問い合わせ」から、ご連絡ください。

 

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