
「あーあ、どうして私って、こうなんだろう・・・」
自分の不甲斐なさに、ガックリ落ち込むことって、ありますよね。周りの人がみんな優秀に見えて、「それに比べて、自分は・・・」って、果てしなく気持ちがダウンしてしまう。
今日は、自信をなくしたときに、ちょっと気持ちが楽になるかもしれないお話です。
幼児は自分に絶対的な自信がある
実は、「自信がない」という状態は、精神的な成長を表すものでもあるんです。それは「自分の不足に気づく力がある」ということだからです。

例えば、4歳の子どもは、自分の能力にとっても自信を持っています(個人差はあります)。
4歳児に、10個の物事を覚えるように言うと、意気揚々と「全部覚えた!」と言うんですって。でも、記憶テストをしてみると、実際に思い出せたのは3割程度。それでも子どもの自信は揺らがず「次は全部覚えられるから!」と言うそうです。そして、もう一回記憶テストをしてみると、やっぱり思い出せるのは3割程度。
大人だったら、これはさすがに「私の記憶力、だめだな・・・」と思いますよね。でも、幼い子は平気なのです。

私の娘が幼いころ自分の能力について発した名言は、「〇ちゃんは、なんでも知ってるで!むずかしいことはわからへんけどな!」でした。
むずかしいいことはわからへん。その自覚はさすがにあったようですが、それでも彼女は、自分は全知全能だ と堂々と宣言したのです。
自信にあふれた子ども時代。失敗しても全く揺らがない自己肯定感。うらやましいですね~。
自分の「不足」に気づくことこそ大事

でも、このままでいたら、なんの成長もしないのは、明らかですよね。
不足がある、失敗だという自覚もないのだから、解決のための工夫も生まれようがありません。
失敗したということに気づく。苦手だと自覚する。
これがあるから、「1回じゃ無理だから繰り返しやろう」とか、「別の方法でやろう」とかの、「じゃあどうしようか」と考えることができるんです。
「失敗したとも気づいていないのに実は致命的な失敗をしている」って、これほど怖いことはないですよね。
自分の至らなさに気づくのは、痛い。でも、気づけたからこそ、できることがある。そう考えて、気持ちを切り替えていきましょう。
一生懸命な自分を認めよう

そしてもうひとつ。
失敗に落ち込むってことは、一生懸命生きている証拠 なんですよね。
一生懸命だから、失敗すれば落ち込む。
うまくいかないことだらけだけど、頑張っている自分にエールを送りたい。
「わたなべフラワー」のこの歌、ぜひ聞いてみてください。元気が出ますよ!
メタ認知の話
最期にちょっと蛇足的解説を。
「10個全部を、すらすらとは覚えられない」というような自分の状態に気づくこと。
このように、自分の状態をモニタリングすることを「メタ認知」と言います。
もう少し詳しく言うと、メタ認知には二種類あって、
ひとつめは、「メタ認知的活動」と呼ばれます。これは、
①モニタリング(自分の認知状態に気づくこと)
②コントロール(認知した自分の状況に応じて、目標を設定したり修正したりする)ことです。
ふたつめは「メタ認知的知識」と呼ばれるものです。これは、
①自分の認知についての知識(「私は歴史年号を覚えるのが苦手だ」など)
②人間の認知に関する一般的傾向に関する知識(「年号を語呂合わせで覚えると記憶に残りやすい」など)です。
このふたつ、「メタ認知的活動」と「メタ認知的地市域」が。うまくかみ合うことが大事なんですね。
メタ認知ができるからこそ、失敗や至らなさに気づき、落ち込むわけですが、
メタ認知によって、「じゃあどうする」という次の手を考えることにもつなげられるわけです。

うまくいかなくて落ち込んだとき、「あーあ、がっかり」で済まさずに、
何がいけなかったのか、どうすればいいのかを考えることで、「メタ認知」の能力を上げ、スモールステップで進んでいきましょう。これは、「じゃあ、この分野からは撤退しよう」という判断も含めて、です。
考えても取り組んでも、すぐに好転するわけじゃないけれど、それでも、
一歩一歩を大切に。そして落ち込みや停滞もまた大切。
今日も、明日につながる大事な一日です。

※子どもの認知特性やメタ認知の話は、
「問いからはじめる発達心理学」坂本裕子・山口智子・林創・中間玲子(有斐閣ストゥディア)を参考にしました。
自信を失ったり落ち込んだりしたときの心理に関して、こちらの記事もよかったらどうぞ。
