
人生、順風満帆なときばかりじゃありません。
そして、どの道を選んでも先が見えない・・・特にコロナ禍にあっては、社会的にも個人的にも、先が見通せない閉塞感を感じている方が多いのではないでしょうか。
物事が思い通りに進まない日々。
今日は、ある昔話から、立ち止まることの意味について考えてみたいと思います。。
昔話「やまなしもぎ」

日本の有名な昔話です。「やまなし」じゃなくて「ならなし」という題になっている場合もあります。
ざっとあらすじを紹介しますね。
親孝行な3人息子が病気の母親と暮らしています。
あるとき母親が「「梨が食べたい」と言うので、長男が山に梨を取りに出かけます。
途中、みすぼらしい姿の老婆に出会うのですが、長男は気が急いていて老婆の言葉に注意を向けません。
そして、分かれ道に来たとき、老婆が「行けっちゃ、ガサガサ」と笹が鳴る方へ行けと忠告してくれていたのに、長男は「行くなっちゃ、ガサガサ」と鳴る方の道へ行ってしまいました。
さらに、鳥やひょうたんも正しい道と間違った道の指示を出してくれたのに、長男は耳を貸さず進み、とうとう化け物に呑まれてしまうのです。
長男が帰ってこないので、今度は次男が梨採りに向かいますが、次男も老婆を相手にしません。そして、案の定、間違った道へ間違った道へと進んで、化け物に呑まれてしまいました。
兄たちが帰ってこないので、三男が出かけることになります。
三男は老婆と会話を交わし、老婆の忠告どおりに「行けっちゃ、ガサガサ」と笹が鳴る正しい道を選びました。もちろん鳥やひょうたんの助言もしっかり聞いて進みます。
その結果、三男は梨を採ることができただけでなく、化け物を退治して兄たちを救い出すことができました。
持ち帰ったなら梨を食べると母親の病気は全快し、親子は幸せに暮らしました。というお話です。
この昔話は、絵本が何冊も出ていますが、私が好きなのは、こちらです。
失敗した兄と、成功した弟

たいてい、昔話で兄弟が出てくると、兄は失敗して末っ子が成功する話になっちゃうんですよねー。
ただ、兄が意地悪で欲張りというパターンの昔話が多い中、このお話は、兄弟3人とも親孝行な息子たちなんです。
兄たちと三男とで何が違ったかというと、
三男だけが老婆と親しく言葉を交わし、出会う者の忠告に従った というところでした。
三人とも母を助けたいという一途な想いを持って行動したんだけど、
兄たちは、自分の願いや計画以外のものを受け入れることができませんでした。支援を受けるチャンスを切り捨ててしまったんです。
「停滞」こそが大事な局面

三男だけが、母への想いや急ぐ気持ちはありつつも、予定外の老婆との出会いで、足を止めたのでした。
「やまなしもぎ」に学ぶ知恵の1つめは、「停滞を大事にしよう」ということです。
私たちも、自分の人生が「足止めを食った」と感じることがあります。
何らかの障害が生じて、進みたい道に行けない・・・とか。
自分が願っていることを、理解してもらえない・・・とか。
五里霧中で、どうすればいいか自分自身わからない・・・ということもあるでしょうし、
間違った道に来てしまったと気づいて、途方に暮れるということもあるでしょう。
でも、実はその「思い通りに行かない」ことが、正しい選択をする上では重要な局面 なんだということを、この昔話は教えてくれていると思います。

立ち止まることの大切さ。
立ち止まったからこそ、これまで素通りしてきたことを改めて考えることができるでしょうし、
これが、強力な援助者と出会う機会になるかもしれません。
私自身、これまでの人生を振り返ってみると、思い通りにいかなくて悩んだ時期というのが、自分の進み方を決定づけたものだったなと思います。
自分の才能のなさに打ちひしがれたこと。職場で四面楚歌を味わったこと。流産を経験したこと・・・・。でも、この苦しい出来事を通じて出会った人や考えたことが、今の私を形作っているんです。
停滞期間に出会う人や物事に、オープンな心で対応していきたいと思います。
失敗しても、やり直しができる

「やまなしもぎ」に学ぶ知恵の2点目は、「失敗は、リカバリー可能」ということです。
このお話の長男・次男は、最初に道の選択を間違えたあと、やり直すチャンスは何回もあったんですよね。途中、鳥やひょうたんが警告を送ってきたんだから。
ここでも、やり直しのチャンスを得るためには、「足を止める」ということが大事になってきますね。周囲の声、援助者の存在に気づく必要があります。
「まずいことになった」とうすうす気づいていながら、
「ここまで来たら、今更もう引き返せない」と突き進むことが、どんなに危険なことか。その悲惨な事例は、現実社会にあふれています。
いちど選んだ道だからって、ずっとその道を進まなくてもいいんです。また分かれ道に戻ってきて、今度は左へ進もうということだってできるんです。

失敗したって、選択の機会は何度もある。
もちろん、人生は一期一会で、あの時と今では、状況が変わっています。あのとき行けば見頃だったはずの花は、今から行ったのではもう見られないかもしれない。
だけど逆に、あのときには見られなかったはずの別の花が、今は咲いているかもしれないのです。
失敗や挫折を経験したからこそ、以前は気づけなかったものに気づけるかもしれないですよね。
また、「この道をたどると、ますいことになるよ」と、後から来る人に警告することだってできます。
立ち止まる余裕を持ちましょう

あなたは、うまくいっている毎日を過ごしている人ですか?それとも、思うようにいかない生活の中で悩んでいる人でしょうか。
いずれにしても、少し立ち止まることを、自分に許してあげてほしいと思います。
私は、どうもうまくいかないな~と悩み、グルグル迷いながらの日々を過ごしています。今日の記事は、そんな自分を励ますために書いたようなものですが、ちょっとでもあなたの助けになればうれしいです。
昔話って、なかなか考えさせられる要素がたくさんありますので、またご紹介していきますね。
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