
本当の自分って、なんだろう。
この疑問、この不安は、思春期・青年期には誰もがぶち当たるものではないでしょうか。
でも、中年期以降にも、「本当の私って?」という疑問、あるいは「今の私は、本当の自分じゃない」という感覚が浮上してくることがあります。
たとえ、人がうらやむような華やかな成功をおさめていたとしても、ふと心をよぎる違和感・・・
あなたは、そんな気持ちを抱いたことはありませんか?
もしそうであるならば、「どこかに置き去りにしてきた、もうひとりの自分」と再会する必要があります。
今回は、私が、心の中に押し込めてきたもうひとりの自分と、どうやって再会したかをお話します。
これは私の個人的な物語。だけど、あなたの何かのヒントになるかもしれません。
絵の中に現れた「もうひとりの自分」
私が大学生の時の話です。
心の中の「もうひとりの自分」は、絵を通して、私にサインを送ってきていました。
この「再会」については、別の記事に書いているので、よかったらご覧ください。
そして、「ネガティブな、見たくない自分」を直視する試みを、絵を描くという行為を通じて続けていく中で、
「明るい自分になろう」という努力を放棄し、ただありのままに、もうひとりの自分に「今まで無視していてごめんね」という向かい合い方ができるようになったんです。
このあたりの話は、こちらの記事です。
無理に自分を変えるのではなく・・・
無理に自分を変えようとすることをやめ、そのままの自分を、そのままに見ること。これを絵にしていく。すると、不思議なことに、変化が自然に、心の中に生まれてきました。
初めは真っ暗な部屋の隅にいた自分が、
次には、部屋に差し込む光の方に「近寄ってみようかな」と思えるようになりました。
真っ暗だった部屋が、薄暗がり程度に変化していき、そして、ドアから外の様子を見ようとする姿が現れます。
光の絵を描いていて、無理してるなという感じがないんです。あ、これだという感覚がありました。
すごく不思議でした。
今の私はこういう姿なんだな、ということを見つめることで、自分の心の中が変わっていくのが、はっきりわかりました。
絵を描くことをしているのは、この私なんだけど、でも、この変化は自然に内側から「生まれてくる」ものでした。
そして、これが大学生活の卒業作品です。

本当は卒業したくなくて、社会に出ていくことの不安も大きかった。でも、出発する。鎧も武器も何もないままで、だけど踏み出す。
これは私にとって、大きな節目の記念となる絵でした。
自分をありのままに認めること
さて、これは私の若い日のストーリーだったんですけど、いかがでしたか。
ただ、ありのままの弱い自分を、ありのままに受け入れることができれば、心はいい方向へ変わっていくんじゃないかな、というのが、話の趣旨です。
「本当の自分って、こんなんじゃない」という違和感や空虚感を感じているあなたは、おそらく、「もっと輝いていたい」「本当はもっと輝けるはずだ」という気持ちがあると思います。
でも、まずは、「輝いていない自分」「こんなはずじゃない…と否定したくなる自分の姿」を、見てあげてほしいんです。
「ダメだ、失敗者だ、情けない・・・」等の非難と共に心の隅に追いやられている「もうひとりの自分」。そこに目を向けることを、やってみてほしいのです。
それができれば、変化は必ず生まれてきます。
自分と出会うためのアートセラピー
そして、自分をみつめるための最適な方法として、「アートセラピー」をお勧めします。
アートセラピーは、アート表現を通じて、悩みや葛藤等に取り組んでいく心理療法です。
心の奥に沈んだものが色や形として浮かび上がり、自分との対話を始めることができるようになります。

私は「絵を描く」という方法で、自分との再会をしました。この経験から、絵を描くことが心に働きかける力を知りました。
「絵を描くなんて、とてもとても・・・」と思われるかもしれませんが、アートセラピーは、上手な作品を作ることが目的ではないので、下手でいいのです。
今回の私の話は、芸大での「作品制作」の中で生じたことだったので、かなりガッツリ描き込んだ作品をお見せすることになってしまいましたが、これで「絵が苦手な私には無理・・・」と思わせてしまったとしたら、ごめんなさい。
アートセラピーは絵を描く以外の方法もたくさんあります。例えば、雑誌等の切り抜きを貼るだけの「コラージュ」は、手軽にできて、とても人気があります。
今回は、「そのままの自分を見る」ことの大切さの話と、アートセラピーのお勧めでした。
アートセラピーに関心を持たれた方は、ぜひコメント欄から、声をかけてくださいね。

