アートで自分を労わる:デコパージュ

 

アートセラピーをご存知ですか?

アートセラピーとは、簡単に言えば、アート表現活動を通じて、心の健康促進を図るものです。

今回の記事では、疲れた心に効くアートワーク「デコパージュ」をご紹介しながら、アートセラピーとは何かをお伝えしていきます。

アートセラピーとは

アート・セラピー・・・・日本語訳すれば「芸術療法」となりますが、「芸術」なんて言うと、美しい立派な作品を作らなければいけないような印象を受けてしまいますよね。

でも、アートセラピーは、「美しい作品」「綺麗な作品」を作ることが目的ではないのです。

むしろ、作品の出来栄えを気にすることは、癒しの道具としてアートを使う上では、妨げになります。

アートセラピーでは、材料や方法の枠組みがセラピスト示されるものの、思いのままに、自由に表現していくことが大事なんです。

 

アートの内容も、さまざまです。描画、塗り絵、貼り絵、粘土造形、織物・・・などなど、なんでもありです。

「風景構成法」「バウムテスト」「星と波」など、心理臨床の場で工夫されてきた独自の技法もたくさんあるのですが、

実のところ、普通に図工や美術の授業でやったことがあるような方法でも、セラピーという目的をもって扱えば、それは癒しのワークとなります。

その例として、「デコパージュ」のワークをご紹介したいと思います。

デコパージュとは

デコパージュは、ペーパーナプキン等の薄い紙の絵柄を切り抜いて、専用のデコパージュ液で貼り付けるクラフトです。

巷の手芸・クラフト教室などでも、デコパージュは人気があるようで、ちょっと検索すれば、どっさり情報が出てきます。それほど難しくなく、手軽に、「わあ、綺麗♡」「おしゃれ♡」な作品が出来上がるからでしょうね。

先月、いくつかの施設で提供したプログラムでは、石鹸にデコパージュをしたのですが、なかなか好評でした。

こちらは、私の試作品です。魚と果物を貼ってみました。魚は、普通は果物なんて食べないだろうけど、「食べさせてあげようかな♪」って感じで作りました。

若干、シワが寄ってしまってるのは、ご愛敬ということで。

仕上げに、ラメを乗せたら、結構キラキラがいい感じになったかなー。

デコパージュのセラピー的意味

さて、このワークのセラピーの目標は、「自分自身を大切にする」 でした。

デコパージュでは、ペーパーナプキンを使います。ペーパーナプキンは、もともとの用途は、おもてなしの心を伝える ということですよね。

ペーパーナプキンを使うのは、来客があったり、パーティーがあったり、そういう場を、より心地よく彩るためです。

実のところ、実用的なことだけを考えるなら、ペーパーナプキンなんて不要です。「無駄使い」だとさえ言えるかもしれません。だけど、「あなたと過ごせるのがうれしいです」という気持ちを伝えるために、素敵な柄のナプキンを使うわけです。

「大切なあなたのためだったら、これは無駄じゃありません」ということですね。

たくさんのペーパーナプキンの中から、「どれを使おうかな」と選ぶのは、自分へのおもてなし。

アートワークでペーパーナプキンを使うというのは、ただ単に「こうすると綺麗だから」ということではないんです。

「私」を大切なゲストであるかのように扱う・・・その目的をもって、材料を選んでいます。

自分への「おもてなし」

デコパージュの作業は、ものすごく難しいわけじゃないんだけど、実は面倒な工程もあります。

使いたい柄を切り抜くことや、三層くらい重なっている裏紙を剥がすことは、なかなかめんどくさい。ナプキンによっては、かなり剝がれにくいものもあって、細かい作業が苦手な私は、ちょっと「キーッ」となりかけました。

でもここは我慢。だって、これは、大切な人(私)へのおもてなしなんですから。

さらに、デコパージュ液を塗って貼り付けるのは、筆先で優しくやらないと、破けてしまいます。
これもまた、「自分と優しく関わる」という経験になります。優しく、優しく、「ヨシヨシ」してあげるみたいに、貼っていきます。

 

デコパージュ石鹸は、乾燥させたあとは、実際に石鹸として使うことができるのも利点です。
わざわざ装飾した石鹸で、優しく泡立てて手を洗うことは、自分を優しく労わる日々を過ごしていくことにつながると思います。

 

このように、アートセラピーでは、その素材や技法などが、どんな心理的影響を及ぼすのかを考えて、扱っていきます。

セラピーとしてのアートのすすめ

ということで、デコパージュ石鹼のワークをご紹介することを通じて、アートセラピーについてお話しました。「いい作品をつくる目的のクラフト」との違いが、ちょっと伝わったでしょうか。

デコパージュ、ぜひ自分への癒しの贈り物として、やってみてくださいね。

今では、百均でも、デコパージュ液などの用具・材料を購入できるようになっているので、気軽に取り掛かることができると思います。素敵なペーパーナプキンを探すのがちょっと難しいかもしれませんが、手芸品などに、いろいろな柄のアソートセットが売られている場合があります。それから、マスキングテープを使うのもお勧めです。

なお、このプログラムは、栗本美百合さんの著書「学校でできるアート・アズ・セラピー心をはぐくむ『ものづくり』(誠信書房)」を参考にしました。

簡単にできるアートセラピーのワークは、他にもご紹介しています。よかったら、こちらもお読みくださいね。

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