あなたは、絵を描いたり、ものをつくったりすることが好きですか?
たぶんだけど、このページに目を留めたということは、あなたは絵を描くことなどが苦手だと感じているんじゃないでしょうか?そして、そのことをとても残念に思っている・・・。
でも、誰でも絵は描けるし、人は誰でも、創造的な存在なんです。
この記事を読めば、きっと「もう一度、絵を描くことをやってみようかな」という気持ちになれると思います。ぜひ最後まで読んでみてください。
絵を描く時間になると泣いていたAちゃん
私は、学校での教員を生業としておりまして、美術科を担当しています。
絵を描くことに凄いコンプレックスを感じている子がいまして(仮にAちゃんとしましょう)、そんなAちゃんが、「次、美術、いつ?」としきりに聞いてくる ということがありました。
私は思わず「それって、美術やりたいってこと?」と確認クエスチョンをしてしまいました。すると「うん、美術やりたい。楽しい」と答えたじゃありませんか。
私は、心の中でガッツポーズ!本当にうれしかったです。
数年来、彼女を見てきた先生の話では、Aちゃんは、絵を描くとか、ものをつくるとかいう関係の授業になると、必ず泣いていたそうです。
何をどうしていいか思いつかない、わからない。それで固まってしまう。何もできないまま時間だけが過ぎていく。
ようやく取り掛かれば、思い通りに描くことができずに、泣いたり、紙をグシャグシャに握りつぶしたり破いたり・・・というのが常だったそうです。
「創造性がない」と思わされてしまった悲しみ
泣く、大荒れする とまではいかずとも、「絵を描きましょう」と求められる場面で「何も手が出せない」というのは、誰にとっても、かなりつらいことだと思います。
それは、「自分の中に、創造性がない」と通告されるようなものだから。
だけど、本当は、創造力を持っていない人なんて、ひとりもいないんです。
クリエイティブな人は、自分の中にある「何か」を、見つけ出すことに慣れているだけ。 逆に言えば、「絵が苦手」とコンプレックスを感じている人は、自分の中の創造性を見つけることに、慣れていないんです。
もともと持っていた創造性を取り戻す
ちょっと、たとえ話をしますね。
創造性は、川の底の方にいる小さい魚みたいなものだと思うんです。
川を眺めていても、そこに魚が泳いでいることには、すぐには気づくことができません。でも、「あ、あそこに魚がいる!」と気づき、「もっといるかも!」という気持ちでしばらく腰を据えて見ていると、「あ、あそこにもいた!」「ここにも!」と発見できる。
汚染されてしまって魚が住めない川もあるよね・・・
って、もしかして今、突っ込みを入れた方がいたかもしれませんね。
まあ、確かに、それはある。
でも、相当汚くなった川でも、ごみを取り除いたり、廃水が流れ込まないように規制したり、対策をとれば、水質がよくなって、再び魚が泳ぐ場所に戻ります。
つまり、適切な手を打てば、本来の状態を取り戻すことができるわけです。
それと一緒で、人は本来、誰もが創造的な存在で、それが不幸な巡りあわせで損なわれてしまったとしても、必ず回復できる。私はそう信じています。
「とにかくやってみる」が心の壁を崩す
さて、先に述べた、絵が苦手でいつも泣いていたAちゃんに話を戻します。
彼女がなぜ、美術の時間を楽しみにするようになったのか?その変化を生んだのは何か?ということなんですが、
「上手下手は関係ないんだな」と思える題材で、「とにかくやってみる」経験をした ということがAちゃんを変えたと思っています。
その題材紹介は、別の記事をお読みいただくとして、
きっとAちゃんは、渋々ながら取り組んでみたときに、「自分の中から何かが生まれてくる」という感覚を味わえたんだと思うんです。
描けた。同じものをもうひとつ描いてみようかな。
描けた。じゃあ、もうひとつ描いてみよう。
描けた。なんかいける気がする。・・・・・・・このループが生まれれば、しめたものです。
問題は、絵を描く技能・技術じゃなく、「心の壁」だったんです。創造性をせき止めていた壁に小さな穴が開きさえすれば、絵は勝手に生まれ出てくるんです。
先月には、夏のカレンダーを作ったときには、夏アイテム(うちわ、かき氷などなど)を次から次へと描き続け、画面を埋め尽くすまでになったんです。もはや、私に助けを求めることもなく、ときどき嬉しそうに「見て♡」とアピールするのみ。
そして、描く数が増えるのと比例して、絵の描き方も勝手に上達していってました。ぎこちなかった描線が滑らかになり、りんご飴のイラストでは、飴を覆う袋はフニャフニャと柔らかく描き、飴自体はしっかりとした線で、と描き分けていたので、びっくりでした。
人は誰でも創造的な存在
正直、絵が描ける・描けないは、たいした問題じゃないです。絵が描けないことそれ自体が、人生をつまづかせることはないですよね。
でも、絵が描けないことで、自分が創造性のない人間だと思い込んでしまうことは、生きていくうえで大きな損失じゃないでしょうか。
人は誰でも、創造的な存在。
自分は創造的ではないと思い込まされてしまった、その悲しいループから抜け出すことは、絶対できます。
そのためには、「まずは初めてみる」ことが肝心。最初の一歩を踏み出すことが大事なんです。
「最初の一歩」にお勧めのアート
最初の一歩としては、「上手・下手」の劣等感を生みにくい、抽象的なアートがお勧めです。
写実的または具象的な絵を描きたいのなら、まずは抽象画で「描き慣れる」経験をしてから、という道筋をお勧めします。
「創造的な私」を呼び覚ますために、ぜひアート表現活動を試してみてくださいね。
なお、本記事に掲載した作品の画像はAちゃんのものではなく、イメージです。ご了承ください。