非日常の経験から気づく、大切な日常:「12分の一の冒険」

児童文学のおすすめ本をご紹介しています。

今回ご紹介するのは、ドールハウスの世界が舞台の、タイムトラベル物語。
私は、図書館で借りて読んだのですが、あまりの面白さに、その日のうちにまた図書館へ続編を借りに行き、4巻まで一気読みしました。

 

この物語は、魔法的出来事を扱ってはいますが、
読み終えた後には、普通の日常が愛おしく感じられる 素敵なお話となっています。

 

「12分の一の魔法」物語あらすじ

 

「12分の一の冒険」
マリアン・マリーン作 橋本恵訳 ほるぷ出版

 

物語の舞台になるのは、アメリカ、シカゴ美術館に展示されている、精巧なミニチュアルームです。
それらは想像の部屋ではなく、過去に実際に存在した部屋を細部に至るまで12分の一サイズで再現したものなんだそうです。
このミニチュアルームの描写だけでも、すでにワクワクします。ぜひとも訪れて、実際に見てみたくなります!

 

ちなみに、このミニチュアルームは、シカゴ美術館のHPでも見ることができるのですが、
写真だけ見たら、これがミニチュアだなんて気づかないです。普通に、歴史的建造物の内部の写真だと思っちゃいますね。

 

 

 

さて、6年生のルーシーとジャックは、学校の美術館見学でここを訪れます。

そして、展示室のバックヤードを案内してもらった際に鍵を拾うのですが、
それが実は魔法のアイテムだった・・・というわけで彼らの冒険が始まるのです。

 

(以下、ネタバレを含みます。)

 

偶然拾ったその鍵の魔法の力とは、
鍵をミニチュアルームの近くで触ると、身体がミニチュアルームのサイズに、小さくなる というものでした。

はじめのうちは、フランス貴族の天蓋付きベッドで寝てみる、などの体験を楽しんでいるんですが、
そのうち、それぞれの部屋が、その時代の本物の世界とつながっていることを発見します。

 

そして、革命時のフランスなど、さまざまな時代の、さまざまな人と出会うことになるのです。

 

 

ミニチュアルームと鍵の謎を探る中に、ルーシーとジャック二人の現実世界での悩みや問題が絡まり、物語が展開していきます。

 

過去の歴史を生きた人々の想いが今の時代につながり、
自分もまた、歴史の中を歩んでいるんだなあということを感じさせてくれるストーリーとなっています。

 

 
①「12分の一の冒険」  
②「消えた鍵の謎」  
③「海賊の銀貨」  
④「魔法の鍵の贈り物」   この4巻で、完結します。  

毎日のくらしこそ、魔法の時間

 

わくわくする冒険の日々を経て、
やがて彼らは、魔法のない普通の生活にもどっていくのですが、
その平凡な日々は、以前とは違う表情を持つものになっています。

あたりまえの日常のしあわせ。

目の前にいる家族や友人との日々がどんなに貴重なものかということ。

自分がこの世界で、何かの役目を持っているという感覚・・・

 

 

大人になった私たちは、ある程度の「歴史」を生きてきました。
歴史の教科書に載るような大事業をするわけではないけれど、
私たちのささやかな今日は、確かに明日へとつながり、歴史をつくっていきます。

 

誰かと一緒にゆっくりお茶を飲むひと時も、
誰かと交わしたあたりまえの会話も、
ぜんぶが大切な「魔法の時間」。

 

今日を慈しんで、生きていきたいですね。

 

 

今日は、お勧めの本のご紹介でした。
「12分の一の冒険」、ぜひ読んでみてくださいね。

 

 

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