
あなたには、変えたいと思っているのになかなか改善できない「困った癖、言動」がありますか?
「ない」って人は、きっといないですよね。
実は、「改善されない」というのは、この「困った行動」には、大きなメリットがあるから なんです。
今回は、「困った行動には必ずメリットがある」ということと、その対処法について考えます。
私の場合:期日間際までやらない

私自身の「問題行動」の話から始めましょう。
私の「困った癖」のひとつは、何事もギリギリまでやらないということです。
もう、筋金入りの「ギリギリセーフ」狙いの人間なんです。そのせいで幾度も冷や汗をかき、痛い失敗もしているにもかかわらず、なかなか改善されない。
私は、小学生の頃から、締め切り直前にならないと、ものごとに手をつけない子でした。
夏休みの宿題は、8月が終わることになってから取り掛かるのが当たり前。宿題の存在を、決して忘れてはいないのですが、「まだ大丈夫」と放置し、8月31日に徹夜で仕上げるというのが、私の普通のスケジュールになっていました。
旅行の荷造りは、たいてい出発当日の朝。なので、当然、うっかりの忘れ物で大汗をかいた経験も、数々あります。
さすがに、大人になって、仕事をするようになってからは、この問題は、少しマシにはなりました。期日に遅れた場合に困るのは自分だけではないし、相手のある仕事は、「まだですか」と、気を揉ませるのは申し訳ないことだと思うので。
が、それでも、期日ギリギリになってしまい、「もっと早くやっておけばよかった!」と後悔することはしょっちゅう。やらなければいけない用事を思い出しても「まだ大丈夫」と先送りする傾向は、がっちり健在です(堂々ということではないですが)。
問題行動には、理由がある

さて、私は、特別支援学校での勤務経験があるのですけど、支援学校では、子どもたちのさまざまな「困った言動」への対処をする必要があります。
特別支援の現場で学び、「そうだったのか!」と目を開かれる思いがしたことのひとつに、「問題行動には、理由がある」という考え方がありました。
「理由がある」というよりも、「本人にとっては、メリットがある」という方がいいかもしれません。
例えば、授業中に、おふざけ発言を繰り返す子がいるとします。先生からすれば、とっても困ります。でも、この子は、おふざけ発言によって、望む何かを得ることができるから、やるんです。
それは、「友だちからの注目を得ることができる」ということかもしれません。「先生に声をかけてもらえる」ということかもしれません。
たとえ、その注目が嘲笑や不満の声、叱責であったとしても、その子にとっては、注目され、声をかけられることがメリットになるわけです。
あるいは、「面白くない勉強から逃れることができる」ということかもしれません。あとで先生や親に叱られることになったとしても、今このときには、勉強から逃避することができる・・・それがメリットになっているのかもしれません。
「問題行動」への対処は、「この子が、この行動から得るメリットは何なのか」を考えることが、出発点となるのです。
問題行動の「ABC分析」

問題となる「ターゲット行動」を分析する方法に、「ABC分析」というものがあります。
これは、行動(Behavior)の直前に何があったのか(Antecedents)、そして行動の直後にはどういう結果があったのか(Consequences)を見る というものです。
上記の「おふざけ行動」でいうと、
Behavior(行動):おふざけ発言を繰り返す
Consequences(直後):授業が中断される。友達と先生から注目される。
という感じでしょうか。
「ABC分析」から見えてくる「行動のメリット」

当別支援学校に限らず、どんな子どもにだって「困った言動」はあります。
そして、私の「先送り癖」「ギリギリセーフ狙い行動」だって、立派な(?)困った言動ですよね。
そこで、「ABC分析」を、私の「夏休みの宿題」に当てはめて、考えてみます。
Behavior(行動):必死に、締め切り間近の用事をする
Consequences(直後):締め切りに間に合って、達成感を味わう。
そうなんですよね。「達成感」!!
この場合、余裕をもって取りかかり、期日前に出来上がるのは「当たり前」。でも、ギリギリになって取り掛かり、迫りくるタイムリミットに焦りながら仕上げることは、「困難なことを成し遂げた!」ということになるわけです。
この達成感は、「私ってすごい!」「私って、やればできる子!」と、自己有能感にもつながっていきます。
焦っている最中には、「後回しにする駄目な私」というみじめさを感じていたはずなのに、「間に合った!」となったとたん、否定的な自己評価は、きれいさっぱり、消え失せているんです。
問題行動を改善するには

さて、もちろん、この記事を書いている今の私は、「ギリギリセーフ行動」を奨励しているわけではありません。ただ、「困った行動」が治らないのは、そこに本人にとってのメリットがあるからだ、という話です。
そして、こういった行動を改めるためには、「別の行動をすれば、より大きなメリットを得られる」という経験をしなければいけません。
つまりは、「私は何を得たいのか」と考えることが必要なんですね。
本当に自分が得たいメリットとは

もしも、別の行動とそのメリットを思いついても、それがモチベーションにつながらないのであれば、
実感レベルでは、現状から得られるメリットの方が、自分にとって重要なんだ ということになります。
例えば、リストカットを繰り返している方にとっては、その自傷行為は、自分が生き延びるために必要なことであったりしますし、
学校に行けなくなった子にとっては、とにかく休むということが、勉強が遅れるなんてことよりも重要であったりします。それと同じことです。
人からどう言われるか、世間からどう思われるかではなく、「自分が得たいものは何なのか」です。
私は、そうですね・・・アートセラピープログラムの準備なんかは、さすがに前日まで何もしないてことはないので、この分野に関しては、「質の高い結果を出したい」とか、「質の高い仕事でお役に立ちたい」ということを、求めているんだろうと思います。
つまり、早めに準備に取り掛かるという行動から得られる「クライアントさんの笑顔」とか「次回を楽しみにしています」という声だとかの結果の方が、「間に合ったあー!」という刹那的な達成感より勝っている、ということですね。
自分の得たいものへ、少しずつ
いかがでしたか。この記事が、自分の「困った行動」を変えるためのヒントになれば幸いです。
ぜひ、「この行動から得られるものは何か」 「本当に自分が得たいものは何か」を、考えてみてくださいね。
まあ、私も、すべてにおいて余裕をもって行動するというところまでは、全然いっていませんが・・・
自分にとって大事だと思えるところさえ押さえていれば、まあ、いいかなと思っています。あんまり自分に厳しくても、しんどいですし・・・。
というわけで、最後に、「こんな自分でも、まあいいか」の記事も、よかったら合わせてどうぞ。
