からだを通して自分の内面に触れる:フェルトセンス

 

あなたは、自分のことを、本当によく知っていますか。

自分が何を感じ、何が好きで、何を嫌い、何に傷つき、何を願っているのか・・・
ほんとうに深いレベルで、自分自身とつながっていますか。

 

YES!と、迷いなく言える人は、なかなかいないんじゃないでしょうか。

「自分を知る」ってどういうこと?

自分って、なんだろう。

自分を知るって、どういうことなんだろう。

 

私は、自分と深くつながることができる方法を知りたいと思い、
「自己意識」「自我体験」「本来感」などと言われるものについて学び、考えているところです。

このブログでも、学んだことや考えていることを共有したいと思います。

 

そこで今回は、アメリカの臨床心理学者、ジェンドリンが提唱した「フェルトセンス」について、特にその「身体性」についてのお話です。

フォーカシングという方法

 

ジェンドリンは、来談者中心主義のカウンリングを打ち立てたロジャーズの下で学び、
成功するカウンセリングとそうでないカウンセリングの違いを研究して、「フォーカシング」という方法を提唱しました。

 

うまくいくカウンセリングにおいては、クライアントが深いレベルで自己に触れ、自ら変革し、実生活にそれが生かされて、豊かな人生を歩み始めていくことになりますが、
うまくいっていないカウンセリングでは、話が表面的な困りごと相談にとどまり、内面の変化につながりません。

 

 

フォーカシングでは、自分の内面に注意を向け、言葉でははっきり説明できない何かに、からだの感覚を通じて触れていきます。
この、からだの内部での特別な気づきを、「フェルトセンス」と呼びます。

 

からだで感じる「フェルトセンス」

フェルトセンスは、頭で考えるのとは違う、内部感覚です。これを、彼は、ある人物を思い浮かべたときの感覚を例に挙げて説明しています。

 

たとえば、友人Sさんを思い浮かべたときに、彼女の特徴を挙げ、説明することはできます。
例えば、身長155センチ、ほっそりしていて、髪はセミロング、白い服が似合っていて・・・とか、活発で海外旅行が好き、人見知りせず、たいていの人とすぐに打ち解けることができて・・・とか。

 

でも、言葉を連ねて説明するよりも前に、Sさんについて、からだの中に何らかの感じが、浮かび上がってきます。

Sさんを思い浮かべたとき、私の中には、新鮮な空気がさあっと入ってきたような感覚があります。例えるなら、広々した草原のイメージです。

 

この感じは、さらに別の人物、Fさんを思い浮かべ、その違いを感じてみると、より鮮明になります。
私は、Fさんを思い浮かべると、なんだか肩がきゅっと上がり、身構える感じが身体に起こります。何か落ち着かない、注意を集中して対峙しなくてはいけないというような・・・。

 

 

ジェンドリンは、この感覚について次のように説明しています。

ジョンの姿、話し方、あなたとジョンとの最初の出会い、あなたが彼にしてもらいたいこと、彼が昨日いったこと、あなたが言い返したこと等々・・・です。その情報量はおどろくほど大量でありますーーーだがジョンのことを思い浮かべると、何となく、意味のある事実や感情のすべてがただちにみなさんの中に出てきます。

こういう無数の情報はみんなどこに貯えられているのでしょうか?みなさんの頭にではなくからだのなかに貯えられているのです。

「フォーカシング」61ページ:福村出版刊(ジェンドリン1982)

 

からだの感覚として存在する、フェルトセンス。

その、何となく浮かび上がってくるフェルトセンスに注目することで、心の深いところで自分が本当に感じていることにアクセスしやすくなる、フォーカシングという方法。

 

ジェンドリンは、だれでもフォーカシングが可能になるような「6ステップ」の方法を提案していますが、それはまたおいおい紹介していきますね。

 

今回は、フェルトセンスの特徴のうち「身体性」についてでした。

 

フェルトセンスやフォーカシングについては、以下の記事もよかったらどうぞ。

 

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